はもさんのお気に入り日記

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『ライフ・オブ・バイ』少年がトラと漂流生活、動物友情サバイバル映画と思いきや・・・

「ライフ・オブ・バイ」の基本情報 

監督: アン・リー

公開日: 2012年11月21日

主演:  スラージ・シャルマ 

点数: 78点

 

インド映画。成人した主人公の回想から始まる。

パイ・パテル(少年時はスラージ・シャルマ)一家はインドで動物園を経営していたが、政府の援助を打ち切られる関係から、動物たちを売却し、カナダに移住することになる。

貨物船に動物たちを満載したパイ一家は、太平洋上を航行中、嵐に見舞われ船は沈没。ただ一人パイは救命ボートに逃れて一命をとりとめる。ボート上での動物たちの縄張り争いの結果、生き残ったベンガルトラと、パイはたった2人での漂流生活を開始する。その漂流生活は227日間にも及んだ。

メキシコに漂着したパイはトラと別れ、トラはジャングルへと入っていった。回想はここで終わり。。。

 

全編ほぼCG。

美麗で幻想的な光景が続きます。海全体がクラゲで発光する中、巨大なクジラが現れる。無数のミーアキャットがいる浮島(実は人食い植物の島)空全体が稲妻に包まれる大嵐。そしてトラ。まったく馴染まないトラ。なぜか最初にいたシマウマやオランウータンはあっさりいなくなっている。これは夢?

 

その後、回想の中、船の保険会社の社員が現れ、別の話をする。難破した船の救命ボートに動物はのっていなかった。いたのはコックに、日本人船員、パイの母親。

動物の縄張り争いではなく、人間同士の戦いが救命ボートで展開されたのではないかと。

 

なんとも後味が奇妙な映画ですね。映像ではトラとパイしか現れないので、そこから暗喩されるものをみていくしかないのですが。ちなみに、ベンガルトラの名前としてつけられていたのは不自然な男性名「リチャード・パーカー」これはエドガーアランポー原作の小説の登場人物の名前と同じだそうです。海を漂流中に食料が尽きた4人の男が、くじびきでいけにえを決め、その結果仲間に食べられる結果になった哀れな船員の名前と・・・

ラストの独白は蛇足だったような・・・

幻想的な光景で実は裏設定・・の方がよかったような・・・

あのちっとも馴染まない、主人公と縄張り争いをしていたトラの正体とは・・・主人公の少年はボートの上で227日間、何をしていたのか・・・

すくなくとも表題である「トラと漂流した227日」から想像できる内容は完全にブラフでした。

主演のスラージ・シャルマはその後、野球映画「ミリオンダラー・アーム」に出演した後、テリー大学で哲学を学びながら映画にも関わっているようです。